自分史


自分史 その6  高校時代

 中学時代遊びほらけていたためか、ただのバカなのか、 高校は都内有数の頭の悪いので有名な女子校でした。
 入る前から、女子校は…とは思っていたのですが、 入学式で自分を呪うはめになります。 自分のクラスに入ったとたん、頭がくらくらしました。 同じ制服に身を包んだ、女子ばかり55人…。体育館での入学式では、それが総勢1800人近くいたのです…。
元々入りたくて来たわけではないので、 本当に入った当初は転校したくてたまりませんでした。
 とりあえず、友達が出来ます。 彼女も「ヤオイ」が好きで、同人誌を買いあさっている人でした。
「ヤオイ」が好きなんだよねぇと言う話で盛り上がって、 彼女が同人誌を貸してくれた縁でつき合うようになりました。
しかも彼女が貸してくれたのは、「北斗の拳」の同人誌。
あの筋肉隆々の絵柄そのままに、男性同性愛行為をしているのは壮観でした。
演劇部に入って、そこでも友達が出来ます。 高校3年間、ほとんど友達は変わりませんでした。
 友人の手引きもあって、自分も「ヤオイ」を書き始めます。
でも、他のヤオイ同人誌やマンガを読みながら、 何でこの人達は自分たちがゲイであることに葛藤がないのか、 悩んでいました。 どうしても、男女間のラブストーリーの焼き直しにしか思えなかったのです。 本当にこれで良いのか、悩みながら書いていました。
  高校へは電車通学だったせいもあり、痴漢に何度かあいました。
その当時、すでに70キロ台にまであった体重のせいで、 と〜ってもデブいはずの自分も、女性に見られたのでしょう。
一度あまりにも、ひどい痴漢に遭って「この人痴漢です」って 声を上げたことがありました。 でも、周囲の人は、何でこんな奴に痴漢行為を働くの?って感じの冷たい物でした。
痴漢行為をされて、ああ自分は男性の欲望の対象になってしまうんだ と思って、自分は女性なのかと再確認させられました。
  そのくせ、友達と将来のことを話しながら、 「子供は欲しいけど、旦那とのセックスと子供を腹の中に入れておくのは 絶対イヤだよねぇ」などと話をしていました。 どうしても、女性として男性とセックスをして、 子供を産むという行為が自分の中に結びつかなかったのです。
 高校2年生の時「オペラ座の怪人」を演劇部有志で演じました。 その時、「オペラ座の怪人」役を無理に言ってやらせてもらいました。 どうしても、男性の役がやりたかったのです。
 その当時、演劇をよく見に行きましたが、自分が感情移入するのは、 ヒロインではなく、主人公でもなく、脇にいる男性でした。 自分が男性だったらどんなに良かっただろうと思って見ていました。
 高校2年の時でしょうか、将来をどうするのかと言うのを考える 機会が学校側でもうけられました。 自分は、もちろん結婚しても仕事をやっていく、 一生涯の仕事を見つけるんだと思ってましたが、 他の女の子は適当に仕事をして、結婚して専業主婦になるでした。
そのころは、母の影響が強いと思ってたので、 自分は女性として変な部類にはいるのだなぁとしか思っていませんでした。
 高校3年生頃から、ゲイの方々が少しずつマスメディアに 出てくるようになりました。 自分も、そんな本を貪るように読みながら、 本当のゲイはこうなんだよと納得したり、自分の居場所もここだと思ったり。
でも、自分は女だと思いこんでいたので、 「おこげ」なのかなと思っていました。
 とりあえず、結婚するのが普通だと思ってました。 子供は産まないし、やりたくないし、やられたくもないと思いながら、 でも、女なんだからと無理矢理納得させていたのかもしれません。



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